こんな状況だからこそ

緊急事態宣言が出て、大阪の街も様変わりした。街は閑散としていて、お店の多くも閉まっており、食べるところを見つけるのが難しいほど。社会が止まるとはこういう事かと。昔、アニメの北斗の拳で見た世紀末はもっと荒れた荒野だったが、人がいないと世紀末かと言いたくなる程不安を覚えてしまう。

弊社でも(一部の出勤せざるを得ないメンバー以外は)基本はテレワークだけど、僕は直接会わないといけないアポイントもあり、ほぼ毎日動いている。勿論、マスク、除菌スプレー持参、車出勤で、感染にはかなり敏感だけど。

ここまでコロナの影響が出るとは本当に予想出来なかった。やはり、コロナだろうが何だろうが、最悪の事態を予想しながら経営をしないといけないと改めて痛感している。地震や台風などの災害、経営危機、コンプライアンス、情報漏洩やバグによる損害、人間関係など経営にはリスクばかりだなと。

社会を元気にするために挑戦する起業家が増えて欲しいと思っているけど、リーマンショックや311、米中貿易戦争、コロナショックなど定期的に来る不測の事態を考えると起業熱も冷めるんだろうな。起業はやりがいやメリットもあるが、やはりリスクが大きい。起業に関してネガティブな事を言いたくはないが、上手くいかないと物神両面でかなりのダメージも受けるので、それなりの覚悟がない人はやはり難しいのかもしれない。

経営者がリスクばかり考えていては、挑戦しない(面白くない)保守的な会社になるが、リスクマネジメントを行い、社員やその家族、ステークホルダーを守る事が、経営者の最も重要な仕事だと改めて痛感する。

日々、クライアントや友人の経営者達と情報交換するが「売上が○○%下がった」「人を解雇するのが辛い」「お金を貸してくれない」「洒落にならない」などの良くない話しばかりだけど、こんな状況だからこそ、こんな言葉からも教訓にすべき事が沢山あるなと。

例えば、

「売上が〇〇%下がった」
・選択と集中での1本足打法でいくか、多角経営でのリスク分散でいくか?
・すぐには売上の下がりにくいストックビジネスを考えられないか?
・一定の顧客に依存せずに、複数クライアントを持てないか?
・オンラインなど他の営業戦略を考えられないか?
・不況に強いビジネスか?
・事業リスクは何か?  等々

「人を解雇するのが辛い」
・本当に解雇しないといけない状況なのか?
・(解雇しないといけない程)余計に人を雇用しすぎていないか?
・アウトソーシングや派遣などの活用は出来なかったか?
・社長や役員から責任の順に役員報酬のコストカットをした結果なのか?
・次の就職先の面倒は見てあげられないのか? 等々

「お金を貸してくれない」
・全ての金融機関に連絡する程やり切ったか?
・日常からBS経営を行い、納税をしながら自己資本を高め続ける努力をしていたか?
・日常から経費に対する意識は会社全体で高かったか?
・日常から売上を少しでも上げ続ける努力や達成する文化になっていたか?
・投資と銘打って、無駄な投資をし続けていないか?
・そもそも無駄使いしていないか? 等々

タイトルの「こんな状況だからこそ」反省し、糧にしないといけない事が沢山ある。全てを教訓にして、家族などへの感謝、社会への感謝、会社や従業員への感謝をこういう時にしたいなと思う。当たり前の事は何一つない事を再認識しましょう。自戒の念を込めて。

きっと、このコロナショックを機に世の中の価値観は大きく変わる。働き方も、生き方も、社会の在り方も、個人の価値観も変わるでしょう。そんな未来を考えつつも、常に諸行無常な世の中でも感謝の気持ちを持ち続けたい。

うん、人生はきっともっと良くなるし、もっと悪いことも来る。
そして年老いた時に、その味わい深い人生を思い出すのかなと。


株式会社エックスラボ代表取締役 / 起業家団体EO大阪 第11期会長 / 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授。 大阪発のマーケティング会社として、様々なクライアント企業の課題解決に日々取り組んでいます。

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